デルタ電子
屋外型4.0kWパワコン発売
台湾の電源メーカーであるデルタ電子(日本法人・東京都港区、柯進興社長)は今年5月より単相3線式の定格出力4.0kWの屋外型パワーコンディショナを発売する。3月にJ-PEC認証を取得した住宅用PV(太陽光発電)システムに組み込んで拡販していく。10月頃には4.4kW、5.5kWタイプもラインナップする予定だ。
同製品の特長はまず屋内外兼用であること。基本的には屋外設置を勧めているが、重塩害地域など、屋内に取り付けせざるを得ない場合は屋内設置も可能で、その際の騒音レベルは20db以下としている。また、冷却用ファンを搭載しない自然空冷システムを採用し、ファン故障などによるトラブルを回避。加えてIP65準拠の防塵・防水性能を搭載するなど信頼性を向上させている。
その他主な概要は、最大変換効率95.8%、JIS C 8961に基づく変換効率は95%。サイズは幅475mm×高さ415mm×奥行155mm、重さ約20kg。最大入力電圧DC450V、定格入力電圧DC280V。
同社は2004年よりPV用パワコンの開発を開始、PV市場に参入した。日本市場では、07年に初めてJET認証を取得、大手メーカーにOEM・ODM供給をスタートした。「日本市場では、4kW屋外型パワコンを中心に5年間で3万台の出荷実績がある」(第3営業本部ソーラーデバイスチーム、宮崎偉生マネージャー)という。
一方、デルタ電子の子会社で、太陽電池セル・モジュールメーカーのデルソーラーも3年程前から日本メーカー数社にOEM供給を行っており、着実に日本向け出荷量を伸ばしていた。
宮崎マネージャーは、「市場の拡大やニーズの多様化、需要も増加しているため、およそ2年前からシステムとして、自社ブランドでの参入を検討、準備を開始した」という。
同社製住宅用PVシステムはデルソーラー製単結晶型モジュール、デルタ電子製パワコン、日本製の接続箱、架台などで構成される。代理店経由で販売を進めており、「当社は電源メーカーとして、約20年前から日本市場に参入している。安全に正しく、モラルある企業に販売してもらいたい」と話す。
なお同社は、台湾においてEPC(発電所の設計・調達・建設)の実績も多い。高雄のスタジアムに設置されたBIPV(建材一体型PV)や、台湾電力のメガソーラーなどを受注してきた。今後は、「台湾で培ったノウハウも応用していきたい」としている。