サカキコーポレーション
最上位全天日射計など新製品発売
センサや計測器の輸入商社であるサカキコーポレーション(大阪市住吉区、坂木英一社長)は今年2月に新製品を続々と発表、PV(太陽光発電)向けでは、最上位クラスの全天日射計と簡易日射計をラインナップに加えた。FIT(全量買取り制度)導入を前に産業用PV市場への展開を強めるSI(システムインテグレータ)に提案していく。
今回発売した日射計は、いずれもサカキが日本総代理店を務めるイタリアの計測器メーカー、デルタオーム社の製品。注目は「セカンダリースタンダード」と呼ばれるハイスペックの最上位機種である。
同製品は世界気象機構(WMO)の基準にも準拠し、耐久性や信頼性も高いという。代表感度は10μV、日射量の測定範囲は0~2000W/㎡、波長範囲は335~2200nm(95%)。
全天日射計は一般にISO9060で準拠された性能の違いによって、下位クラスの「セカンドクラス」、上位の「ファーストクラス」、最上位の「セカンダリースタンダード」の3種に大別されるが、もっぱらPVではセカンドクラスが使われてきた。同社が今回初めて最上位機種を取り揃えたのは、FIT導入によって多様化する計測ニーズに備えたためだ。
一方、簡易日射計はシリコンフォトダイオードを採用、代表感度20μV、測定範囲は0~2000W/㎡、波長範囲は400~1100nm。
なお一般的に簡易日射計はISOに準拠していないため、波長域が狭く、経年劣化により感度低下しやすい分、低価格な製品とされている。
坂木英一社長は「メガソーラーだからといって数が多く出るわけではないが、グレードが高い製品が求められている。今回ラインナップを拡充したことで、一連の製品が出揃った」としたうえで、価格についても「デルタオームとの交渉次第だが、新年度に向け、価格の見直しも検討している」と話す。
同社は05年頃からイタリア・デルタオーム社の日本総輸入元として日射計の販売を開始。08年度下半期には京セラの産業用PVシステムに標準品として採用され、販売シェアを伸ばす。11年年初には持ち運びできるポータブル日射計を発売した。ただ、11年は産業用PV市場の停滞を受けて、日射計の年間販売台数は前年比半減の1500~2000台程に落ち込んだ。
坂木社長は「今年7月以降はFITが実施されるので、マーケットが拡大することを期待したい。価格、納期対応力、技術的サポートについては自信を持っている。また、自社で全数検査も行う」と強みを語る。