パナソニック
純水素燃料電池発売
パナソニック(楠見雄規社長)は、2021年10月1日より高純度の水素を活用した燃料電池を発売した。純水素燃料電池は、水素と酸素が化学反応する過程で電力を生み出す発電装置。純水素燃料電池の一般発売は同社初となる。新製品は水素濃度99.97%以上の高純度の水素を外部から直接供給するもので、出力5kWで業務用に販売する。
パナソニックは、水素と酸素で発電し、排熱を給湯などに利用する家庭用燃料電池コジェネレーションシステム『エネファーム』を09年より発売、純水素型燃料電池ではこの技術を応用した。燃料電池の心臓部であるセルを内蔵したスタックをエネファームと共用化することで、発電効率56%を実現したという。
新商品は業務用で、出力は、家庭用燃料電池の出力0.7kWの7倍以上とした。複数台の連結で、発電出力を高められるほか、専用アプリと接続すれば遠隔制御も可能だ。推奨品の貯湯ユニットの接続で、発熱時の熱をお湯に変換することや、推奨品の抵抗器ユニットと起動用電源の活用で出力2.5kWの電力を120時間使用できる。約1分で起動可能なためピークカットにも活用できるという。同社は、太陽光発電設備と蓄電設備、純水素燃料電池の実証実験を進めているほか、独自開発の光触媒に太陽光が当たることで、水を分解し、水素と酸素を生成する光水素生成技術の開発も進めている。