宙に浮いた18GW そのゆくえを追う
怪文書騒ぎに泣き、実態調査の影に怯える42円認定権者たち
7月末、近畿経済産業局の名を騙った“怪文書”が、42円の売電契約を持つ発電事業者たちのもとに出回った。
予告通知と題された文書には、認定取り消しをちらつかせる〝脅し〟の文言が並ぶ。反対派から「設備認定ルールが甘い」との批判が出るなかでの〝虚偽文書〟流出だけに、様々な憶測を呼んだが、ことの顛末は何者かによる悪質ないたずら騒ぎで終わる。
だが、経産省による正式な実態調査はもう間もなく始まる模様だ。一部の発電事業者にとって戦々恐々の日々は続くが、着工を促す調査への期待感は日増しに増すのも事実。
宙に浮いた設備認定18GW、そのゆくえを追った。
8月の怪、出回った偽造文書
8月某日、東京都内。ある発電事業者が日頃、懇意にしているEPCのもとに駆け込んできた。とある文書を手にして。
「こんなものが届いたんです」。
汗を拭い、そう語る彼の表情は強張っていた。手渡された文書の差出人には「経済産業省近畿経済産業局」の名が書いてある。その文書を読んだEPC担当者は驚いた。
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