〝太陽光の仲人〟パワーコンディショナを手に入れろ!
国内出荷量3.6GWも需給逼迫
太陽電池で発電した直流電力を交流に変換して系統に送り届け、その系統をも守り抜く。PCS(パワーコンディショナ)とは、太陽電池と系統とを往来しながら、両者の可能性を引き出させるいわば調整役だ。それだけに、その存在は目立たなかったが、全量売電市場が立ち上がり、発電が収益に〝変換〟され始めると、たちまちその機能と役割が重要性を帯びている。
全量売電元年となる2012年度、PCSの国内出荷量は3.6GW、そのうち産業用市場への供給量は1.8GWを上回る模様だ。かつてない活況を呈するPCS市場で、いま何が起こっているのか。
全量売電市場が幕を開けた12年7月。その始まりは意外にも穏やかだった。大型PCS大手、スイス・ABBのオートメーション・モーション事業部パワーエレクトロニクス・プロダクツ部の森本茂義部長は、「全量売電がスタートした当初は、なかなか注文が入らなかった。すぐに売れると思っていたので、7月頃はマーケットを悲観的に見ていました」と振り返る。
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