VPPが拓く再生可能エネルギーの新世界

複数の分散型電源をまとめて一つの発電所のように機能させるVPP。再エネの普及拡大を目的に実証試験が進められ、2021年度から実用段階に入る。再エネ企業に商機はあるのか。(本誌、岡田浩一、楓崇志)

VPP(仮想発電所)とは、点在する太陽光発電設備や蓄電設備などをIoT(モノのインターネット化)でまとめて制御し、一つの発電所のように機能させる仕組みである。

もともと電力会社が電力の消費変動に合わせて発電所や送配電網を制御し、電力需給を調整しながら電力を安定供給してきたが、気象条件によって発電量が変動する再生可能エネルギーが大量に導入され、供給側の調整だけでは限界が生じるようになった。そこで電力の消費側も調整しようと考案されたのが、VPPの概念である。

VPPの活用が本格化することで、電力消費者は安い電力を購入でき、再エネの発電事業者は出力抑制を回避できる。そればかりか、アグリゲータ(電力制御仲介業者)と呼ばれる事業者の新たな商機が生まれるのだ。

この記事を読むにはWEB会員専用アカウントでのログインが必要です

ログイン

この特集の記事

その他の特集

一覧を見る