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再エネ設備のトレンドを追う!関西モノづくり最前線
産業用蓄電設備続々
再エネ普及の鍵を握るのは蓄電設備だ。関西の企業では、パナソニックが世界有数の蓄電池メーカーでトヨタ自動車や米・テスラと協業して実績を伸ばしているが、21年には京セラが独自の粘土型新型蓄電池の量産を始めた。2社以外にも関西には数多くの蓄電設備関連メーカーがある。
最近はベンチャー企業の存在感が大きく、11年に蓄電池専門会社として設立したコネックスシステムズ(京都府精華町)は、鉛とリチウムイオン蓄電池を組み合わせたバインド蓄電池など次世代蓄電池を開発。現在は20年に発売したリン酸鉄蓄電池を採用した産業用蓄電設備が好評だという。グローバルメーカーの蓄電池やPCSなどを調達して販売価格を抑えつつ、国内の自社研究所で調整・検査することで、顧客が安心して使える製品に仕立てた。同社の塚本壽社長は「停電時に電力が必要になる高齢者施設などからの引き合いが多い」と状況を語る。
今後はEVとの連携も欠かせない。先を見据えて蓄電池とEVを併用し、太陽光電力をより効率的に使うといった観点で製品開発を進めるのがPCSメーカーのニチコン(京都市)だ。同社は太陽光発電と蓄電池、V2H(車から住宅への電力供給)を1台で制御するトライブリッドPCSを含めた住宅用蓄電設備を業界でいち早く製品化した。22年4月には自立運転時の定格出力を約2倍の5.9kWまで高めるなど現行機より大幅に性能を向上させた。6月にはトライブリッド型産業用蓄電設備を市場へ投入し、PCS出力20kW、蓄電池容量29.8kWhの蓄電設備と、出力6kWのV2X設備を併せて販売する。蓄電池は最大104.3kWhまで増設可能だ。開発経緯について、同社NECST事業本部の蓮沼正彦分散電源ビジネスグループ長は、「自治体や民間企業からEVの活用まで含めた提案を求める声が多かった」と振り返る。今後はより高出力のトライブリッドPCSの開発も視野に入れている。
「非FITこそ商機」の言葉通り、関西の再エネ関連メーカーは続々と対応製品を生み出している。再エネの普及に向けて、彼らの今後に期待したい。