50年の研鑚積んだシャープの品質管理
「20年間の発電を保証します」。かつて斬新だった太陽電池メーカーの保証サービスが色褪せつつある。様々なトラブル事例が表面化し、モジュールの出力保証だけでは発電が担保されないことが明らかになってきたからだろう。
メーカーには〝万が一〟が起こらないよう品質向上に努めてほしいが、モジュールの品質基準を定めた国際規格に欠陥があるとの指摘も多いだけに、メーカーに責任を負わせるのはいささか酷かもしれない。ならば信頼に応える品質管理とは何か。
これを考察するためシャープの方法を探った。同社はこの半世紀、8.4GWに及ぶモジュールを量産し、60万棟の住宅に設置した。クレームは数知れず、リコールする事態に陥り苦汁を嘗めたこともあったが、だからこそ培ったノウハウがあるはずだ。
シャープソーラーシステム事業本部品質・環境統轄の吉岡秀起氏は開口一番、品質管理の目的を述べた。
「品質はつくるもの。だからまず計画を立てる。これが『品質保証プログラム』だ。そして製品を厳しく検査するための『評価試験』。この二つのアプローチでモジュールの不良率を限りなくゼロにしていく」。
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