蓄電池ビジネスの全貌

「安全性の確保は、温度管理の徹底から」

横浜国立大学大学院工学研究院機能の創生部門 藪内直明教授

蓄電設備の安全対策について、横浜国立大学大学院の藪内教授が見解を語った。

プロフィール●やぶうち・なおあき2006年大阪市立大学工学研究科応用化学専攻後期博士課程修了後、東京理科大学助教授、東京電機大学准教授を経て18年4月より現職。総務省消防庁の『リチウムイオン蓄電池に係る危険物規制に関する検討会』の委員を務める。

再生可能エネルギーの導入拡大に向け、蓄電設備の普及は欠かせないが、蓄電設備の安全性がお座なりになってはならない。蓄電池メーカーがリン酸鉄リチウムイオン蓄電池セルに生産を移行し、リン酸鉄系セルを使えば安全が担保されると思われがちだが、リン酸鉄系セルであっても発火のリスクが払拭されたわけではない。確かに、電解液を不燃性のフッ素系溶媒に変更するなど、採算性を度外視すれば、技術的に発火しない蓄電池の開発は可能だが、それではコストが合わない。

この記事を読むにはWEB会員専用アカウントでのログインが必要です

ログイン

この特集の記事

その他の特集

一覧を見る