セルを電気化学的に腐食させる これが真のPID現象

トランスレスPCSの存在を問う

PIDを封じ込める負極接地、系統側を非接地にせよ

TMEiC パワーエレクトロニクスシステム事業部 伊丹卓夫 技術主査

直列の数だけ高電圧になる太陽電池。高電圧化を求めた彼らは網の目のように手足を自在にのばし、直列回路を無尽蔵に形成してみせる。
だが直列数が進めば、セルとフレーム側にも大きな電位差を生んでしまう。電位差が誘発するもの、それがPID現象だ。とくにグランド電位に対し、セル電位がマイナス極に振れてしまえば、発電機能を一瞬で奪い去りかねない。
しかし、彼らはシステム接地による解決法を見いだす。提唱された接地法こそ負極接地だった。
だが、そのとき「トランスレスパワーコンディショナは負極接地ができない」と騒がれ始める。電力系統側の接地と2点接地になり、還流ループが形成され、地絡電流が流れてしまう。だから「接地はできないのだ」と。
果たしてトランスレスPCSの存在は悪なのか。TMEiC(東芝三菱電機産業システム)パワーエレクトロニクスシステム事業部、伊丹卓夫技術主査の解説からその真実に迫る。

PCSタイプに関係ナシ IGBTで発生する漏れ電流

漏れ電流とはどこから抜けでていくのか。接地されたモジュールフレームからですよね。つまり、系統側が接地されていようが、非接地だろうが、1㎠あたり1nAというわずかな漏れ電流であっても、PIDは起こるのです。

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