[封止材]高度な絶縁性で漏れ電流を弾く
ポリオレフィンが救世主となるのか
PIDなる未知との遭遇をはたしたいま、世界はこの現象とどう対峙していくのか。発生原理の体系化、さらに評価基準すら存在せず、マーケットは混乱に陥ったかに映る。だが、それでもなお解決法を求め、モジュール構造からのアプローチとして、封止材料にひとつの解を見いだそうとしている。
たとえ高電圧が印加され、漏れ電流が発生しようとも封止材の絶縁性。つまり高い電気抵抗さえあれば、マイナスにしろ、プラスにせよ、漏れ電流から駆動力を奪い取れる。力を失った電荷は、もはやセル表層の反射防止膜に帯電することもない。
封止材が発電劣化の切り札となるのか。その可能性を探る。
「確かにPID現象にとって生命線はセルですから、セル構造で決着をつける。これが本質だと思います。ただ、セルを変えるということは人間のからだに喩えると内蔵を取り換えるようなものなのです。モジュールは幾重もの材料からなる複合体。ですからひとつでも材料が変われば、他への影響度は決してゼロでは終わらない。封止材との接着性やラミネートにしたときの状態はどうなのか。セルで対応するにも限界がある」。
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