[素材・評価編]
コスト低減か機能重視か 岐路に立つバックシート技術
東レフィルム加工 萱場 啓司 高機能加工品事業部長 PV技術部長
バックシート──。それは太陽電池モジュールの背面を保護する高分子フィルムで、長期間、屋外の厳しい環境から心臓部のセルを守る。役割は実にシンプルであるが、水蒸気の浸入を防ぐバリア性はもとより、紫外線や温度変化、湿度変化にも耐え得る高い耐光性・耐候性が求められる。それだけに、モジュールの長期信頼性を担保するうえで欠かせない素材であるが、厳しいコスト競争に晒され、その価値が揺らいでいる。コスト低減か、機能重視か、判断はモジュールメーカーの設計思想に委ねられるのであるが、バックシートの果たす役割と、その機能を探る。
太陽光発電は、コストダウンがいわば宿命です。バックシートも例外ではなく、厳しいコスト競争が続いています。実際にバックシートの価格は、昨年から今年にかけて15%ぐらい下がりました。
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