住宅用再エネ再興の条件

TEPCOホームテック、リースモデルで新築住宅向けに本腰

太陽光発電設備や蓄電設備、ヒートポンプ給湯機など住宅用エネルギー関連機器のリース事業を手掛けるTEPCOホームテック。新築住宅向けの開拓に本腰を入れつつ、差別化に繋がるサービスの開発も視野に入れているようだ。

下司知夫取締役副社長(左)とTEPCOホームテックが太陽光パネルを設置した住宅(右)

TEPCOホームテックは、東京電力エナジーパートナーとエプコの共同出資で2017年8月に設立された。翌年にはヒートポンプ給湯機とIH調理器を対象としたリースモデル『エネカリ』を開始。10年または15年契約のもと、住宅所有者に機器をリースで提供していく初期費用不要のサービスで、太陽光発電設備や蓄電設備も順次対象に加えた。20年度からは競争力強化や品質向上などを目的に、提案や営業、施工、保守における自社主導での取り組みを強めているという。

販売分を含めた累計設計・施工件数は1万件を超えたが、これまでは既築住宅向けが多かった。だが、カーボンニュートラル(人為的な温室効果ガス排出量実質ゼロ)宣言以降はハウスメーカーやビルダーなどからの引き合いが増えたようで、同社経営戦略本部長の下司知夫取締役副社長は、「エネカリの標準化を検討いただくこともある」と新築住宅向けの開拓に手応えを感じている。

直近では21年9月1日にウィザースホームとの協業を発表したほか、翌2日には住友不動産と東電EPの共同事業でエネカリが採用されたと発表。後者では東電EPグループが自家消費分の環境価値をJ-クレジット制度で集約・活用する仕組みも組み込まれた。

下司副社長は、「今後、単なるリースモデルだけでは差別化しにくくなる。東電EPとも連携し、電力料金メニューやデマンドレスポンス(需要応答)サービスなどを組み込んでいく可能性はあるだろう」と語る。東電EPは太陽光発電設備や蓄電設備の定額課金サービスの事業化に意欲を示しており、両社の連携も深まりそうだ。

この記事を読むにはWEB会員専用アカウントでのログインが必要です

ログイン

この特集の記事

その他の特集

一覧を見る