住宅用再エネ再興の条件

「電気代ゼロ住宅を目指そう」

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 前真之准教授

住宅への太陽光搭載率をどう増やすべきか。建築環境工学に精通する東大の前准教授が語った。

プロフィール●まえ・まさゆき 1975年生まれ。98年3月東京大学工学部建築学科卒業。03年3月東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程修了後、日本学術振興会特別研究員、建築研究所研究員を経て、04年10月に東京大学大学院東京電力寄付講座客員助教授となる。08年4月より現職。省エネ住宅の設計ツール開発に携わる。

脱炭素社会の実現に向け、住宅に太陽光発電設備が導入されることは非常に重要なことだが、家を買う人にそれを訴えてもあまり響かないだろう。具体的なメリットが大事で、たとえば、太陽光発電に100万円、断熱に70万円かかっても、月に1.5万円の電気代を削減でき、10年程で初期投資を回収すれば、後は電気代を気にして冷房を控える必要もなく、快適な生活が送れるといったことである。むろん、建売住宅などは価格が重視され、売り手は住宅の単価を上げ難いので、そこは施主に負担のないPPA(電力売買契約)モデルなどを組み合わせるとよいだろう。

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