再エネ×デジタル化の現在地

「デジタル化で再エネ適地への消費地移転も可能」

東京大学大学院情報理工学系研究科 江﨑浩 教授

再エネ×デジタル化にどのような可能性があるのか。情報通信の専門家で、再エネに詳しい東京大学大学院の江﨑教授が語った。

プロフィール●えさき・ひろし 1963年生まれ。87年九州大学工学部電子工学科修士課程修了後、東芝入社。98年10月東京大学大型計算機センター助教授に就任、同大学情報理工学系研究科助教授を経て、2005年4月より現職。21年9月1日に発足したデジタル庁ではチーフアーキテクトに就任。再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会委員なども務める。

不安定性や不確定性を持つ変動性再生可能エネルギーを受け入れていくにもデジタル化は欠かせない。火力発電を中心に再エネの変動を調整しているが、カーボンニュートラル(人為的な温室効果ガス排出量実質ゼロ)を目指すうえで火力を減らさなければならない。

再エネを増やしつつ、火力を減らし、同時同量を実現するには、供給側も需要側も制御する必要があり、デジタル技術を活用するほかない。全てをオンラインに繋げば、制御は可能だ。

蓄電池も重要で、供給側と需要側の両方で使える。大容量かつ高出力で安価なリチウムイオン蓄電池の生産技術や運用技術が進化した。充電だけでなく、不足時には電力系統への放電もあり得る。それがハードウェアを含めたデジタル化だ。

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