上里建設、埼玉県で初の系統用蓄電事業へ

サンテックパワージャパンがファーウェイ製品を提供

サンテックパワージャパン、系統用蓄電事業を支援

上里建設は本庄市内で系統用蓄電設備を開発している。1月には埼玉りそな銀行から3.6億円のグリーンローンを受けた

上里建設は今回、サンテックパワージャパンから蓄電設備を調達する。両社は16年より発電設備やFIT開発案件の権利販売などで関係があり、信頼関係を構築してきた。

近年、サンテックパワージャパンも業容を拡大している。同社は前身のMSK時代から40年以上に亘って太陽光パネルを販売してきたが、その傍ら累計出力70MWに及ぶ太陽光発電所を開発・運営しつつ、様々な顧客支援に力を入れてきた。

事実、発電設備の販売では、PCSやケーブルも含めた設備の一括提供にとどまらず、保守管理体制を構築。同社は日本で唯一、ファーウェイ製品のCSP(Certified Service Partner)という認定メンテナンス資格を保有している。太陽光発電所の開発支援では、用地確保や事業性試算、発電所の管理・保守だけでなく、発電事業会社に出資するなど、資金的な支援まで行うのだ。

同社の胡玻(フボ)代表取締役兼CEOは、「我々は再エネ関連設備を販売するだけでなく、お客様の困りごとを解決するサービス提供に力を入れています。闇雲に設備を販売するのではなく、特定のお客様に対して、十分に納得していただける複合的かつ長期的なサービスを提供しています」と語る。

そして同社は新たに、系統用蓄電事業者への支援を始めた。今回、上里建設にとっても系統用蓄電事業は初の試みで、お互い手探り状態のなか、取引を成立させたのは、サンテックパワージャパンの複合的な支援が背景にあったのだろう。上里建設の戸矢社長は、「系統用蓄電事業は新しい取り組みとなるので、サンテックパワージャパンさんには情報提供など含めて包括的なサポートを期待しています」と話した。

サンテックパワージャパンは性能試験や技術研修を行う長野県のテクニカルサポートセンターにファーウェイ製PCSの保守を行う専門部署を設けており、系統用蓄電設備の保守体制も整える方針だ。

①上里建設とサンテックパワージャパンが共同開発した出力2.16MWの福岡県飯塚発電所 。②上里建設の戸矢社長(右)とサンテックパワージャパンのサム部長