メガ、地銀が再エネ事業に参入
非FIT開発支援、PPAなど続々
オフサイト再エネ調達、大手電力と展開へ
金融機関が非FITの太陽光発電所を開発し、大手電力会社と連携してオフサイト調達する事例も出てきた。百十四銀行は22年9月5日、自社の遊休地に非FITで太陽光発電所を開発し、四国電力と連携して再エネ電力を調達すると発表した。
同行は、香川県さぬき市内の保養所7243.68㎡の土地に太陽光発電所を開発し、四電に需給管理を委託しつつ全量売電する。そのうえで四電から売電単価と同額でトラッキング付き非FIT非化石証書と電力を調達し、自社の使用電力の8~9%を再エネに転換する。年間の見込み発電量約83.5万kWhで、23年4月にも稼働させる計画だ。
設備容量は出力500kWで、太陽光パネルは中・ロンジ製を、PCS(パワーコンディショナ)は中・ファーウェイ製をそれぞれ採用し、EPCやO&M(管理・保守)は香川県内の企業に発注する。同行総務部の増田伸宜部長は、「高さ3mの白壁と4mの植栽で発電所を囲い、景観に配慮する。建設地が海岸に隣接しているので津波や高潮の対策として5m程の杭基礎を使う」と語る。
同行は22年5月に四電と地域脱炭素化の支援で協定を締結。今後は今回の仕組みを活用し、四電と地元企業へオフサイトPPAの提案を進めていく考えだ。
こうした金融機関による再エネ事業への参入には金融規制緩和が背景にありそうだ。金融庁は長く金融機関による金融業以外の事業参入に規制を設けていたが、21年5月に銀行法を改正し、事業再生や事業承継の支援業や地域活性化事業には最大100%の出資を認めた。これを受け22年7月には、常陽銀行が投資子会社の全額出資で再エネ新会社を設立。山陰合同銀行も全額出資の再エネ子会社、ごうぎんエナジーを立ち上げた。
金融機関による再エネ事業によって、再エネ発電所の開発はさらに加速しそうだ。