宮城県、再エネ業者の林地開発に規制か
独自課税を検討
宮城県が森林を伐採して再エネ発電所を建設する事業者から課税する条例の導入を検討している。県民の建設反対の意向を汲み、森林開発に規制をかける構えだ。(本誌・土屋賢太)
宮城県が導入を検討している条例は、県内の森林を切り開いて再生可能エネルギー発電所を新設する事業者に対する課税である。県は法定外普通税として導入するつもりだ。
背景には、森林を開発して再エネ発電所を新設する動きが多いなか、景観の悪化や環境への影響を理由に建設を反対する県民の声があった。事実、川崎町で関西電力が計画した風力発電所開発や丸森町の風力発電所開発計画に対して建設反対の声が強く、両計画は中止、中断している。
県は2020年4月に『宮城県太陽光発電施設の設置等に関するガイドライン』を策定し、発電事業者へ適正な手続きをとるよう協力を求め、22年10月には『太陽光発電施設の設置等に関する条例』を施行。条例に基づき、出力50kW以上の太陽光発電所を開発する事業者に対して行政指導が可能になったが、それでは不十分とみて、新条例の導入を検討したという。
とはいえ、現状はあくまでも検討段階だ。新たに森林を開発する再エネ事業者から課税するという方向性を示したに過ぎず、具体的な課税内容や税率などは決めていない。
宮城県環境生活部の小林歩再生可能エネルギー室長は、「具体案は有識者と詳細をつめていく。発電所の規模や森林開発面積などについて林地開発許可制度なども参考に検討する」と語る。