アンフィニ、パネル生産苦戦
工員40人超リストラ検討
想定外の価格破壊
アンフィニは当初、太陽光パネルを年間100MW販売していく計画だった。高品質な日本製を謳いつつW単価50円で売り出せば、充分売れると踏んでいたわけだ。
だが、海外製パネルとの価格競争に敗れ、計画通りにはいかなかった。福島工場が稼働したのは17年4月。FITの始動から4年以上経過し、日本の太陽光発電市場が縮小に転じるなか、中国勢を中心にパネルの値下げ競争が激化していたのである。
ただ、アンフィニは、海外メーカーの製造設備を間借りして太陽光パネルを生産するファブレスメーカーだった。敢えて自社工場を保有せず、リスクを回避することで過当競争を生き抜いてきた経緯がある。そんな同社だけに、パネル工場の建設に伴うリスクは充分把握していたはずだ。
アンフィニの親川会長はこう敗因を分析する。
「福島に工場を建設したのは、何よりもここに雇用を生み出さなければならないという強い思いがあったからだ。計画を入念に練って投資に踏み切ったが、想定外のことが起きた。まずトランプ政権による緊急輸入制限によって米国市場への販路が絶たれた。さらに中国政府による昨年の導入抑制策。パネルの価格破壊が起こり、昨年7月頃からWあたり35円という破格の値段でパネルが市場に出た。50MWや60MWの大型案件への出荷も予定していたが、パネルの軽微変更が可能になり、中国勢に切り替えられた」。