アンフィニ、パネル生産苦戦
工員40人超リストラ検討
険しき再建への道
この状況下、アンフィニはどのように巻き返しを図るつもりなのか。目下の課題は福島工場での雇用の継続であろう。
親川会長によれば、「一旦60人の工員を20人まで削減したいと半年前から国に要望している。我々の提案は、2年で業績を立て直し、その後3年間再び福島県民を60人雇用するというもの。国に許可を求めるべく交渉している」。
そして再建に向け、同社はまず、「中国メーカーからOEM(他社ブランドでの生産)の依頼を獲得するために動いている」(宮﨑健治社長)。
親川会長は、「パネルの材料費はWあたり27~28円だ。そこに工賃や運賃、保険代がのる。中国の工賃はWあたり2~3円であるのに対し、日本では通常6~8円かかる。そこを、当社は中国と同等の工賃で太陽光パネルの製造を請け負う。中国メーカーにとっては、中国と同等の工賃で日本で製造でき、かつ、〝メイドインジャパン〟を謳うことができるのだ」と説明し、すでに太陽光パネルメーカー3社と接触しているという。
中国と同等の工賃で製造を受託すれば、利益が得られない可能性もあるが、親川会長は「それも覚悟のうえだ」といい、「100MWの年間生産量のうち、OEMは3分の1程度に抑え、工場の稼働率を維持しつつ自社製パネルの製造も手掛ける」と説明する。
ただ、道のりは決して平たんとは言えない。最大の課題は、再建への熱意を全社員が共有しているかどうかである。というのも、同社は昨年拠点を閉鎖し、この1年間で社員の半数近くが退社した。社員らによる経営陣への不満が燻っている可能性は否定できない。事実、昨年末に同社の経営陣を中傷する怪文書がアンフィニの本社などに送られてきたのだ。前途は多難である。