未稼働対策新ルールが決定 原案より大幅緩和
申込み期限 2MW以上は8月末
では、2MW未満、あるいは2MW以上で未着工の案件のルールはどう変わるのだろうか。売電単価を維持するためには、まずは系統連系工事着工申込み期限と受領期限を守らなければならない。
2MW未満の案件はほぼ原案通り19年2月1日が申込み期限で、3月末が受領期限となる。2MW以上の案件は、原案より半年以上先の8月末が申込み、9月末が受領期限となった。さらに、条例に基づく環境アセス(環境影響評価)対象案件は20年2月末が申込み、3月末が受領期限だ。
2MW以上の案件について、業界関係者の間では、「予想以上に延長されたのでよかった」という声が多いが、条例アセス案件については、「行政次第という側面が強く、これでも間に合わないかもしれない」という不安の声もある。
ともあれ、ルールは決定した。対象案件を抱える事業者は、それぞれの申込み期限に向けて準備を進めるほかない。
肝心の申込み要件は、土地を押さえていることは当然として、農地転用と林地開発の許可を取得していること、環境アセス評価書の公告・縦覧が終わっていること、とほぼ原案通り。だが、原案では「農地転用等の許可を得ていること」と表記されていたところの「等」がなくなったことで、不確定要素が減った。
原案では申込み後に認定計画を変更した場合、売電単価が下げられることになっていたが、変更届出、つまり軽微の変更であれば、売電単価は変わらないことになったのも、原案からの変更点だ。
さらに、原案では電力会社が決める連系開始予定日に工事が間に合わなければ売電単価が下げられるとなっていたが、連系開始予定日に間に合わなくとも、売電単価は変わらないことになった。これによって、申込み受領後に売電単価が下がる心配がなくなるので、事業者は金融機関から融資を受けやすくなるだろう。