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未稼働対策新ルールが決定 原案より大幅緩和

パネル変更OKに

未稼働対策のルール案発表後、自民党再生可能エネルギー普及拡大議員連盟は何度も開催され、パネル変更を認めるべきである旨などを記した提言書を官邸へ申し入れた

運開期限については、売電単価が維持できるものは2MW未満が20年3月末、2MW以上が同9月末、そして条例アセス対象が同12月末となっている。もし受領日に間に合わず、売電単価が変わってしまう場合の運開期限は、受領日から1年となる。

原案からの変更点は概ね以上だが、今回、原案にはなかったルール変更が追加された。パネル変更についてである。

これまで運開期限のない案件は、パネル変更した場合、売電単価が下がるルールだったが、今回から運開期限が新たに設定される案件については、系統連系工事着工申込み前であればパネル変更をしても売電単価が変わらないルールとなる。

ただし、2MW以上で着工済みの案件については、パネル変更をした場合、新ルールが適用されるので注意が必要だ。

パネル変更を認めることに関して、「40円案件を開発する事業者が、太陽光パネルを今の市場価格で調達すれば、算定以上の高い利益を得るのではないか」といった批判もある。これは運開期限つきの案件に対して、パネル変更ルールを緩和した2年前にも同様の議論があった。

今回、経産省は、「他の運開期限がある案件はパネル変更が認められているので、新たに運開期限がつく案件についてもパネル変更を認めなければ不公平だ」というパブリックコメントでの指摘を受けて、「他の運開期限がある案件とバランスをとる」(新エネルギー課)という理由で緩和した。さらに、「新しく運開期限がつくことで、電力会社都合で売電期間が20年より短くなる案件もあり、パネル変更を認めることでバランスを取る」という意図もあるようだ。

ベーカー&マッケンジー法律事務所の江口直明弁護士は、「そもそもパネル変更を認めないというルールは、パネルメーカーの企業努力が生まれないので疑問視していた。今回の措置によってメーカー間での競争が激化し、太陽光発電のコスト低減につながるだろう」と話す。

だが、江口弁護士は今回の未稼働案件に対するルール変更に対して、「あくまでも特例にすべき。経産省は今後、過去に遡及するようなルール変更は控えるべきだ。制度自体の信頼に関わる。少なくとも、売電単価が変わり事業者に不利益を与えかねない場合は、一省令の告示変更ではなく、法律で制度を変えるべきだ」と熱を込めていう。

運開期限のない27円、24円案件については、来年パブリックコメントを実施して決定される。今回と同じようなスケジュールになるとは限らない。対象案件を抱えている事業者は早急に事業を進めよう。

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