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北海道大停電で見えた太陽光発電の意義と課題

自立運転で炊飯

ともあれ、街が大停電に見舞われるなかで住宅用太陽光発電が活躍した。

前出の橋本さんは、自宅兼理髪店の屋根上に出力4kWの太陽光発電設備を設置しており、地震発生の当日6時半には自立運転機能に切り替え、炊飯器で米を炊いたという。橋本さんは、「正直自立運転のやり方が分からなかったので、(札幌の販売・施工会社の)サンエコさんに早朝電話して教えてもらった。炊飯器が使えたほか、携帯電話の充電もできた。太陽光をつけて本当に助かった」と話す。

江別市内に住む河野行則さん(50)は、8年前に出力3kWの太陽光発電設備を自宅に導入、冬場の降雪を考慮して南西向きの壁面にパネルを設置した。河野さんは、設備関係に詳しく、「朝8時には自立運転に切り替えた。1500Wしか使えないのでどこまで家電を使えるか不安もあったが、省エネ家電だったこともあって、テレビや通信機器、炊飯器、冷蔵庫も使えた」と話す。

北海道では、住宅への太陽光発電設備の普及率が5%にも満たないようだが、今回の大停電を機に太陽光発電設備の自立運転機能が役立った事例が広まれば、普及が加速するかもしれない。さらに、工場などの産業用施設でも、リスク管理の一環で自家消費用の太陽光発電設備を導入する例が増える可能性もある。

サンエコの田口登社長は、「今回、太陽光は災害時に役に立つもの、安心に繋がるものという評価の声を多くいただいた。これを機に、節電効果や投資メリットよりも、自給自足の利点を訴求していく」と方針を語る。

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