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田淵、瀬戸際復活なるか

PCS国内大手の田淵電機が危機に瀕している。2期連続赤字で借入金を約定通りに返済できず、私的整理を申請。取引銀行から返済猶予の同意は得たものの、復活なるか。(本誌・川副暁優)

6月26日、田淵電機の株価はストップ安水準の157円まで暴落した。前日の25日に同社が第3者機関の事業再生実務家協会に事業再生ADRを申請したためだ。東証1部上場、大手PCS(パワーコンディショナ)メーカーの不測の事態に、〝田淵倒産説〟まで流れ、一時騒ぎになった。

だが、倒産ではない。事業再生ADRとは、過剰債務を抱えて窮地に陥った企業を救済する措置。会社更生法などの法的手続とは異なり、民事上の話し合いで解決していく手法である。

田淵は、みずほ銀行や三菱UFJ銀行など国内11行から借り入れていた資金を約定通りに返済できなくなり、第3者を交えて銀行に債務の猶予や減免を求める協議に入った。

そして7月4日の第1回債権者会議で、田淵は債権者会議終了時まで総額90億円規模とみられる借入金の返済の一時停止を求め、全ての取引銀行から同意を得ている。さらにメインバンクのみずほ銀行からは事業再建に必要な運転資金などの融資(DIPファイナンス)の承諾まで得たという。つまり、田淵は倒産を免れ、取引銀行の協力のもと再建を進めていくことになったのである。

だが、厳しい状況に変わりない。同社は2018年3月期の連結決算で88.3億円の最終損失を計上、17年3月期の最終損失57.8億円に続き、2期連続の赤字に沈んだ。17年3月末時に104億円あった株主資本は17億円を割り、自己資本比率は31.1%から5.6%まで急落。今期も大幅な赤字を抱えれば、もう後はない。田淵は絶体絶命のピンチに立たされている。

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