国内最大メガソーラー 再始動も、前途は多難か
明かされない開発経緯
この暗礁に乗り上げていた宇久島メガソーラー計画だが、今年1月に急展開した。京セラの発表によれば、フォトボルトDPが売電権の譲渡に同意。複数の企業が共同出資でSPC、『宇久島みらいエネルギーホールディングス』を新たに設立し、18年度の着工を目指すというのである。
発表資料では、事業費が従来の1500億円から2000億円に、設備容量が430MWから480MWに、太陽光パネルの設置枚数が172万枚から165万枚に変更されたほか、東京センチュリーや古河電気工業、坪井工業、十八銀行、タイのSPCGが参画を検討しているとある。
さらに、九電工と京セラ、宇久島メガソーラーサービスは2月6日と7日に宇久島の住民へ説明会を実施。工程表や太陽光パネル配置図など、具体的な計画案を示しており、事業が再始動した様子が伺える。
ならば、先述の3つの課題は解消されたのか。
フォトボルトDPからの権利移譲については、交渉が長引いて事業価値が下がることを恐れ、九電工らとの合意に動いた可能性もあるが、あくまでも憶測の域を出ない。
資金調達の課題は、無制限抑制案件への融資が以前よりも成立しやすくなったため、宇久島の事業でも融資契約が進展したのかもしれない。ただ、開発を主導する九電工は、「現時点では未確定」と回答。まだ成立には至っていないようだ。
では、佐世保漁協との交渉はどうか。この点についても、九電工と京セラ、佐世保市政策経営課は「現在も交渉中」としており、依然として進展していない。