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国内最大メガソーラー 再始動も、前途は多難か

用地確保も道半ば⁉

宇久島は漁業と酪農を主たる産業とするが、近年は高齢化により継続が困難になりつつある

以上のほかにも課題はあるようだ。事業予定地の地権者との合意形成である。佐世保市農業畜産課によれば、確かに2月9日に事業予定地を農用地区域から除外するための申請があったという。だが、事業計画の審査に進むには全地権者の同意書を提出する必要があるにもかかわらず、「地権者の同意が確定していない。事業内容は流動的で、手続きの完了がいつになるかは分からない」(市農業畜産課)。しかも農用地区域は農地に指定されている場合が多く、次は農地転用の手続きを進めなければならない。

この件について、九電工はコメントを避けたが、京セラは「地権者の合意形成は済んだ」と回答。宇久島メガソーラーパークサービスの赤木社長も、「交渉に手間取ったが、合意はすべて取りつけた」という。ならば、情報が市へ上がっていないだけなのだろうか。

一方で、売電権を譲受して事業を運営する肝心のSPCの組成にも課題があるようだ。というのも、具体的な出資者が確定していないのである。九電工によると、計画を主導してきた九電工や京セラでさえ、事業への参画は未確定だという。

この状況下、なぜ事業の進捗を顕示する動きが出たのだろうか。

ともあれ、この状況に困惑するのは宇久島の住民だ。島で牧畜業を営む男性は、「以前の計画は営農用太陽光を導入する内容だったので賛同したが、今後もそれが引き継がれるのか説明がない」と不安を露わにする。

孫の手を引いて取材に応じた女性は、「事業が動くというが、具体的な進捗は感じられない。自分たちが生きているうちに完成するのだろうか」と嘆息する。

この様子を見るに、事業に携わる関係者が充分に地元住民へ説明しているとはいいにくい。課題があるならば、それも含めて、詳らかに計画の進捗を公開するべきではないだろうか。

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