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エネ庁がパネル増設に規制

認定を受けた後に太陽光パネルを積み増しする〝パネル増設〟が規制されることになった。エネ庁が改定案を示した。意見公募を経て省令などを改定する模様だ。(本誌・川副暁優)

経済産業省資源エネルギー庁は7月6日、認定を受けた後に太陽光パネルを増設するなどしてパネルの合計出力を変更した場合、その時点の買取り価格を適用する改定案を示した。変更の条件を、「パネルの合計出力が3kW以上の増加、もしくは3%以上の増加」としたため、正式に決まれば、パネル増設はメリットがなくなる。

現行は、太陽光パネルの合計出力とPCS(パワーコンディショナ)の定格出力のうち、低い方を設備の出力とするルールだ。認定時にパネルの出力がPCSの出力と比べて同等以上であれば、制度上パネルの出力は設備の出力としない。それゆえ、パネルをいくら積み増しても、設備の変更にあたらず、認定時の買取り価格が維持される。

実際、この条件に適合する設備は多く、特にFIT制度の導入初期に高い価格で認定を受けた事業者は増設のメリットが大きいため、パネル増設は一気に広がった。

だが一方で、有識者の間ではこの動向を問題視する声もあり、今年1月の新エネルギー小委員会ではパネル増設を「規制すべき」との意見が出た。理由は、現在の安いパネルを調達して過去の高い単価で売電するのは法の趣旨に反するためだ。

つまり、FITの買取り価格は毎年算定されているが、それは、国民負担に慮し、パネルの調達費などが下落する状況に合わせて適正な売電単価を決めるためにある。現在の安いパネルを使うのであれば、現在の価格21円が適正な売電単価であって、過去の価格40円や36円で売電するのは不適切だというわけである。

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