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再エネ商5社が行政処分

景表法違反で措置命令

「顧客満足度No.1」などの誇大広告をウェブサイトに掲載していた再エネ会社に、消費者庁が景品表示法に基づき行政処分を行った。このほど再エネ系販売5社が同様の処分を受けた。(本誌・土屋賢太)

蓄電設備を販売するSCエージェント(大阪市、下浦龍之社長)は、「口コミ人気No.1」、「アフターフォロー満足度No.1」、「コストパフォーマンス満足度No.1」、「工事品質満足度No.1」、「施工実績10000件」などの文言を自社のウェブサイトに掲載していたが、消費者庁らが調査したところ実態と異なっていた。そこで消費者庁は2024年3月7日、客に〝優良〟と誤認させる内容は景品表示法に抵触するとして同社に対し、再発防止などを命じる措置命令を出した。

住宅用太陽光発電設備や蓄電設備を販売する安心頼ホーム(福岡市、松本政洋社長)も、「九州エリア口コミ満足度No.1」、「信頼の3冠獲得第1位」など、実態と異なる文言をウェブサイトに掲載し、2月27日、消費者庁から措置命令を受けた。

このほか、新日本エネックス(福岡市、西口昌宏社長)やフロンティアジャパン(札幌市、佐藤光展社長)、エスイーライフ(名古屋市、近藤貴士社長)も同様の措置命令を受け、24年2月から3月にかけて再生可能エネルギー系の販売会社5社が行政処分を受けた。

景品表示法とは、商品やサービスの品質、内容、価格などを偽って表示する行為を規制する法律だ。先の5社の誇大広告は、同法第5条1号の「優良誤認」、もしくは第5条2号の「有利誤認」に該当したのである。

消費者庁は先の5社に、不当表示をした事実の公示や再発防止策の周知徹底などを求め、先の5社は、これに応じる構えを示している。

消費者庁表示対策課の口ノ町達朗上席景品・表示調査官は、「行き過ぎた誇大広告は消費者が商品やサービスを選択する際の判断を阻害しかねない」と述べた。

ただし、行政処分を受けた5社は、いずれも外部の調査会社に調査を委託し、その結果を広告として掲載していたようだ。事実、今回措置命令を受けたある再エネ会社の幹部は、「調査会社からの営業があり、〝No.1表記〟を提案された」という。

にもかかわらず、景品表示法の処分対象は商品の製造・販売業者で、調査会社はその対象外だ。それだけに、景品表示法に詳しい森大輔法律事務所の森大輔弁護士は、「恣意的な調査を行う調査会社が野放しにされてきたため、景品表示法違反が多発した側面もある。調査会社にも、何らかの行政処分を実施できるよう、法改正を検討するべきではないだろうか」と見解を語る。

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