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福島市内のメガソーラー造成地から泥水が流出

大雨の影響で福島市内のメガソーラー建設地から県道へ泥水が流出した。福島市は事業者に不信感を募らせ、地域住民は反発を強めている。(本誌・土屋賢太)

福島先達山太陽光発電所の開発地

2024年6月2日の大雨の影響で、福島市内の60‌haに及ぶ『福島先達山太陽光発電所』の建設用地から泥水が流出し、下流の県道まで達した。造成工事で表土が露出し、泥水が発生しやすくなっていたうえ、大雨で調整池へ導水する仮設の土側溝が一部閉塞し、泥水が調整池を介さずに直接下流の沢に流れたことが原因とみられている。

福島市は翌6月3日、開発を進めていたAC7合同会社を厳重に注意し、6月7日には指導を行い、6月11日には一連の経緯を載せた特設ホームページを開設した。

AC7は出力約40MWの太陽光発電所の建設を計画し、福島県より林地開発許可を得て21年11月に着工。福島市内の吾妻連峰の一角である先達山の斜面60‌haを切り盛りする造成工事を終えていたが、今回の事故で修正を迫られそうだ。

というのも、太陽光発電所の建設を巡って、AC7はかねてより近隣住民と対立していた。住民側は、太陽光発電所によって景観が損なわれ、災害が誘発されかねないとして着工前の21年2月、建設反対の要望書を福島市長に提出している。

それだけに、今回の事故に対し、市民団体、『吾妻山の景観と自然環境を守る会』の矢吹武会長は、「恐れていたことが現実になった」と語気を強め、続けて「吾妻山は日本百名山の一つで、福島市民の財産だ。その山林を切り崩す行為は自然への冒涜である。メガソーラーに反対しているわけではない。山林の開発行為に反対しているのだ」と強調した。

近隣河川に濁水が流入した様子と県道へ泥水流出の様子(出典:福島市の特設ページ)

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