韓ハンファ、独Qセルズ買収でグローバル展開加速
「ハンファ・Qセルズ」発足 日本法人も事業統合へ
買収のきっかけは、アンチダンピング対策
このハンファグループの隙のない事業計画に着目すると、Qセルズの買収は、あるいは、予め予測されていたことのようにも思えるが、きっかけは、「米政府によるアンチダンピングをしのぐための苦肉の策だったようだ」(太陽電池メーカー筋)。
米商務省は今年5月、中国で生産されたセルに対し、アンチダンピング関税を課す予備裁定を下した。ハンファ・ソーラーワン製のセルも例外なく、31.18%の税率で関税をかけられたのである。
これは最終決定ではなかったが、欧米諸国への輸出が中心だったハンファにとって、事業の将来性を考慮すると、中国国外からセルを調達するか、もしくは中国国外でセルを生産する体制を早急に整える必要があった。
奇しくも、その約1ヵ月前に、ドイツとマレーシアに工場を持つ大手メーカー、Qセルズが経営破綻した。そこで、ハンファはQセルズの研究開発拠点と工場を買収する形で交渉に臨んだ。
結果は先述のとおり、Qセルズ側と条件を詰めていくなかで、管理部門や海外の営業部門まで包括的に買収することになったが、ハンファにとってアンチダンピングへの対策は整い、今後の〝カントリーリスク〟も軽減されたといえよう。