25年度制度設計が本格化
需給近接型など支援強化へ
〝FIP転蓄電池〟後押し
経済産業省は、再エネ電源の電力市場への統合を加速させるため、FIT電源のFIPへの移行を促進している。支援を強化しており、24年度の算定委でもバランシングコストの時限的な増額を検討する。今後、措置対象や期間、交付額などを決めていく方向だ。
算定委以外の審議会でも議論が進んでおり、すでにいくつかの制度的措置が打ち出されている。たとえば、26年度から優先給電ルールにおけるFIP電源や非FIT電源の出力抑制の順番をFIT電源よりも後にするほか、25年4月を目途に23年度以前に新規認定を受けたFIP併設蓄電池の系統充電を認める方向だ。
さらに、事後的な蓄電池併設時の価格算定ルールを変更する。現行制度では、21年度以前に認定を取得した太陽光発電所で直流側に蓄電池を設置する場合、パワーコンディショナの出力分は現行の単価が維持されるが、太陽光パネルの過積載部分の太陽電池出力分には最新の低い単価が適用される。そしてその比率をもとに各々のFIP基準単価を加重平均した値に単価が変更されるため、実質的には収入減に繋がり、このルールを適用する事業者はいなかった。そこで、パネルの過積載率に応じたピークカット電力量割合の想定値をもとに算定する形に変更する方針だ。
具体的には、5%刻みの過積載率毎にピークカット電力量割合の想定値を設定する。全国で最も平均日射量の多い山梨県甲府地域を基準に想定値を定め、たとえば過積載率が125%ならば0.13%、150%なら2.64%、200%では14.2%とする方向。そのうえで、太陽電池の合計出力に対し、該当の過積載率の想定値を乗じて算出される出力分に最新の低い単価を適用する形にする模様だ。