FIT・FIPの屋根上太陽光に新たな支援策
25年度下期から導入へ
2025年度のFIT・FIPの制度内容が固まった。屋根上に設置する太陽光発電を対象に、初期費用の早期回収を狙う新たな仕組みが導入される。25年10月から始まる見通しだ。(本誌・楓崇志)
FITやFIP(フィード・イン・プレミアム制度)に関する議論を行う経済産業省管轄の調達価格等算定委員会は2025年2月3日、24年度の議論をまとめた。25年度のFIT売電単価やFIP基準単価は前年度に決めており、今回は26年度の単価を算定するとともに、屋根上設置の太陽光発電に『初期投資支援スキーム』を設けた。新スキームは買い控えを防ぐため、下期の25年10月の新規申請分から適用する方針だ。
新スキームでは、与信の低い中小企業や個人向けの太陽光発電の導入を促すため、投資回収期間の早期化を狙って支援期間中のFIT・FIP単価を階段型で設定する。FITの対象となる10kW未満の住宅用太陽光発電は、1年目から4年目までの売電単価をkWhあたり24円、5年目から10年目までを同8.3円とし、FITやFIPの対象となる10kW以上の屋根上設置の事業用太陽光発電は、1年目から5年目までの単価を同19円、6年目から20年目までを同8.3円とする。FIP活用の事業用太陽光では、FIPとPPA(電力売買契約)の併用が可能なため、5年目までのFIPプレミアム収入を加味した企業間PPAが立てられそうだ。
なお算定委は、住宅用太陽光に対して10年の支援期間を短縮する方向で議論を進めたが、オンサイトPPA事業などへの影響を勘案し、最終的には事業用太陽光と同じく支援期間を維持した階段型の単価設定とした。ただし、あくまでもPPA業者などへの猶予期間とし、27年度以降は単価を高めに設定しつつ、支援期間を短縮する方向だ。