日置電機 、EVで太陽光発電の 全量自家消費実証へ
電気計測器メーカーの日置電機は2022年7月25日、EV(電気自動車)を使った太陽光発電の実証試験を始めると発表した。脱炭素経営を強化する狙いだ。
同社は本社に出力約12kWの太陽光パネル搭載カーポートと出力10kWのV2X(車からの電力供給)設備を設置し、電力系統には接続せずにEV3台で太陽光電力を全量消費する実証実験を始める。EVからEVへの充放電も可能なため、EV1台は常に太陽光カーポート内に停止させて、蓄電池代わりに使う。
EVは社用車や従業員の私用車を使うため、行動パターンや電力消費動向が変わる。さらに太陽光発電設備の発電量は天候次第で変化するため、電力系統へ接続することなく有効に設備を使えるのか検証していく。
実証試験に着手した経緯について、同社取締役常務執行役員の久保田訓久CTO兼CIOは、「脱炭素経営を進めるうえで従業員による二酸化炭素排出量低減にも取り組んでおり、自動車通勤者が多いことから太陽光電力とEVの活用法を検討した」と話す。
同社は22年秋にも太陽光カーポートを設置して実証試験を始める予定だったが、やや遅れる見込みで、現在スケジュールを調整している。稼働後は1年を通じて実証試験を行う計画である。