荏原実業、住宅用蓄電市場参入へ
12月に子会社設立
環境関連機器製造の荏原実業(東京都中央区、阿部亨社長)は住宅用蓄電設備市場に参入する。蓄電設備を製造・販売する子会社を2020年12月に設立し、蓄電設備の販売を本格化する予定だ。
同社は蓄電設備の企画・製造・販売などを手掛ける完全子会社として、荏原実業パワー(千葉県木更津市)を12月に立ち上げる。まずは自社ブランドの住宅用ハイブリッド蓄電設備を売り出す。
荏原実業パワーの社長に就任予定の蔵見義晴常務執行役員新会社設立準備室長は、「〝卒FIT太陽光〟が登場するなかで、社会貢献や停電対策の意義、市場のポテンシャルを踏まえ、挑戦することを決めた」と説明する。
住宅用ハイブリッド蓄電設備の製品群は、蓄電容量5.8kWh、定格出力3kWの小容量タイプ、同11.5kWh、同5.9kWの中容量タイプ、同17.3kWh、同5.9kWの大容量タイプの3種。いずれも全負荷対応しており、自立出力は定格出力と同じ値である。21年度以降にJET(電気安全環境研究所)認証の取得を目指す。
同社は約2年前から市場参入を模索。OEM(他社ブランドでの生産)先の蓄電設備メーカーである中・ソーラーXと連携し、投入準備を進めた。蔵見常務は、「製品は小型化し、全負荷にも対応した。また、分割搬入した機器を現地で一体化すればよいので、人力で施工できる点も特徴だ」と語る。