熊本地震から1ヶ月
売電停止、営業停止、被害対応続々 奮闘する地元PV会社
地震はいまだ収束せず
先の宇佐美社長は「土地自体が流されたケースを除けば、今回の地震で、野立ての太陽光発電所にはほとんど被害がなかった」と話す。
だが、太陽光システムを設置した住宅が地震で全半壊した被害は多く、地元の施工販売店は対応に追われているようだ。
熊本県で太陽光発電所のEPC(設計・調達・建設)を手掛けるアステクス(熊本県八代市)の嶋村武周社長によると、「被害が軽く、太陽光システムを廃棄せずに再利用する場合、使用可能なパネルがどれだけ残っているか、PCS(パワーコンディショナ)が使える状態かどうかをまず確認する必要があり、状況によって費用は異なる」とし、「5kWのシステムを設置していたある住宅が半壊し、多少使えないパネルがあったが、PCSは使用可能だったので、再設置費用として70~80万円の見積りを提示した」としている。
顧客対応に追われる地元企業のなかには、自身も被害の当事者となった方もいる。県内のあるEPC会社に勤める男性は、夫人が地震で倒壊した建物の下敷きとなり亡くなった。前出のジャステックにも家が全壊した社員が2名、半壊した社員が3名いるという。
地震から1ヵ月経過した5月15日現在、依然として1万超の人が避難生活を余儀なくされている。大きな爪痕を残した大地震はまだ収束していない。