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英弘精機、茨城で740kW太陽光発電所建設

モジュール試験場として活用

日射計国内大手の英弘精機(東京都渋谷区、長谷川壽一社長)は、茨城県阿見町に総出力740kWの太陽光発電所を建設する。年間予想発電量は55万7000kW時で、FIT(全量買取り式の固定価格買取り制度)を活用して全量売電する。太陽電池モジュールの実証試験も行う計画で、太陽光発電所のメンテナンス管理やコンサルティング事業への展開に向け、有効利用していく。

同社の太陽光発電所は、今年12月末の完成を目途に、工業団地内の調整池約1万6290㎡の敷地に建設される。2億円を超える建設費を投じて、国内メーカー4社、中国メーカー1社のモジュールを設置、さらに日射計や温湿度計などを組み合わせた自社製のモニタリングシステムなども導入して、モジュールの発電量や発電効率、年間の収益予測などを計測できる評価試験体制を整えた。

同社は、今年7月にスタートしたFITを受けて、メガソーラー向けの新事業を本格化した。今年2月に米ドレーカー・ラボラトリーズ社と開発したメガソーラー用の遠隔監視型モニタリングシステムの発売を機に、EPC(発電所の設計・調達・建設)企業らと提携し、メンテナンス管理やメガソーラーの建設候補地の評価も行っている。コンサルティング業務まで事業領域を拡げる狙いで、今回の太陽光発電所は、自社の試験場として有効利用する。

長谷川社長は「実証試験によって得られたデータは、ウェブ上に公開していくつもり。今後は、研究ゾーンなどを設けて、大学などの研究機関とともに実証研究できればと思う。当社の発電所が広く活用され、様々な分野で、可能性を広げるものになれば幸いだ」という。さらに新事業について、「日射計を扱う環境機器事業部と連携しながら、着実に業績を伸ばしていければと思う。新事業の売上目標は3〜4年以内に5億円、やがて海外も含めて10億円規模まで成長させ、第三の柱にできればと考えている」と意欲的だ。

英弘精機の太陽光発電所が建設される敷地。

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