ユニパー、産業用PVパネルリフト開発へ
屋根材昇降機メーカーのユニパー(横浜市都筑区、村野光英社長)は、地上から一般住宅の屋根にPV(太陽光発電)パネルを運ぶ電動式リフトの製販で実績を上げているが、このほど産業用の新たなPVパネルリフトの開発を進めている。12年夏頃を目途に製品化する予定だ。
開発中の産業用パネルリフトは、パネルを載せた台車を、ウインチを動力源に地上からワイヤで吊り上げ、目的地付近に設置したレールに沿わせて運ぶ仕組み。従来の住宅用PVパネルリフトは、荷揚げの高さ制限が3階建ての屋根までであったが、産業用パネルリフトはハシゴ状のレールを使わずに3〜5階(最大15m)の陸屋根やベランダなどへ荷揚げできるとしている。
きっかけは、「5階までパネルを運べないという声や、リフトがないために設置を断念したという話を聞いた」(村野光英社長)こと。FIT(全量買取り制度)開始により予想される産業用案件の増加に対応するため、11年夏頃より開発に着手した。
ただ、実用化には克服すべき課題もある。最たるものは安全性の強化だ。ワイヤだけでパネルを吊っているため、地上からロープで支えているものの、風などの影響を受けやすい。万が一、ワイヤが切断した場合の安全機構も不可欠だ。村野社長は「12年夏頃までに商品化したいが、安全性強化が何より大事。様々な意見を参考にしながら、開発していく」としている。