トレンディ、蓄電設備付きPPA+小売り開始
P2P見据え囲い込み
東京電力ベンチャーズや出光興産らが出資する新電力会社のトレンディ(東京都千代田区、妹尾賢俊社長)は、PPA(電力売買契約)方式で設置した住宅用太陽光発電設備や蓄電設備の利用料と電力小売りを合わせた新たなサービスを2021年4月に開始した。P2P(個人間)電力取引を見据えて顧客層の獲得を狙う。
同社は、太陽光発電設備のPPAとともに、大手電力会社の電気料金から最大20%割り引く料金プランを提供していたが、新サービスでは蓄電設備をPPAに組み込み、利用料を月額定額の税込み3万2780円とした。築10年以内の既築住宅と新築住宅を対象とする。使用電力量が年間6000kWhを超過すると追加料金を徴収する。販売や設備の施工、設置後の保守点検は協力企業に委託する。
同社は18年8月より住宅向けPPAを開始し、契約数を累計1000件超まで伸ばしたが、さらに増やしていく狙い。坂優太朗事業開発マネージャーは、「P2Pでは、電力をつくって売るプロシューマと電力を買うコンシューマが存在しなければならない。PPAと小売り事業で双方を獲得していく」と話す。
PPAで用いる設備として、伊藤忠商事製の蓄電設備と、カナディアン・ソーラー製の太陽光発電設備を採用したが、太陽光発電設備は他の製品の取り扱いも視野に入れている。