トリナ、410W品など新製品4種発売
太陽光パネル世界大手のトリナ・ソーラーは3月、新製品4種を発売した。従来品よりも出力と効率も高めた。メガソーラーから住宅用まで全方位に販売する。
トリナは、『高効率』、『美観』、『両面ガラス』、『両面発電』の計4シリーズで新製品を開発、今年3月より販売を開始した。全製品ともセルを大型化し、ハーフカットセルを搭載した。
セルを大型にすると、太陽光パネルの出力が向上し、パネルの使用枚数を減らせる。ケーブルなどの部材も減り、施工費の低減につながる。ハーフカットセルの搭載は、セルの電流値を下げ、配線部分での電流ロスを減らすため、パネルの発電量が増す。結果、初期投資額を抑えつつ、総発電量が増えるため、太陽光発電事業の経済性が高まる。
さらに同社は、多様化するニーズに対応すべく、美観シリーズを除く3シリーズは、顧客が製品を選択できるようにした。
では、個別に見ていこう。
メガソーラー向け王道の高効率
まず、片面発電で主にメガソーラー向けの高効率シリーズだ。新製品は、従来の60セル搭載品『Honey』と、72セル搭載品『TALLMAX』のモデルチェンジ品となる。
顧客は、『単結晶マルチバスバー』タイプと『多結晶5バスバー』タイプのどちらかを選び、さらに『120ハーフカットセル』品と『144ハーフカットセル』品から選択できる。
最大の特長は、最大出力が従来品より1割近く高い410Wになったことだろう。出力の向上によって、BOS(周辺部材)費が4.5〜8.5%、発電コストの指標を表すLCOE(均等化発電原価)が2.5〜4.6%削減できると同社は試算している。
FITの売電単価が下がり続けるなか、太陽光パネル単体だけではなく、太陽光発電所開発のトータルコストの低減が求められるが、こうした市場の要望に適合した製品と言えるだろう。