有力EPCが積極提案へ

ファーウェイのリパワリング用PCS

ファーウェイ製のPCSを用いたリパワリング提案が増えている。なぜファーウェイ製のPCSを選ぶのか、EPC企業に聞いた。

PCS(パワーコンディショナ)世界大手の中・ファーウェイ(華為技術)が、リパワリング(改修による出力増)用の製品開発に力を入れている。発電事業者が順次PCSの交換時期を迎えることを見越したわけだが、まずはFIT開始当初に主流だった集中型PCSからの交換に対応する。

同社は現在、リパワリング用のPCSとして出力62.5kWの製品を日本で販売している。太陽光発電所のトランスを改造せずに、元の出力やシステム電圧に対応するため、出力電圧を210Vとした。既設の直流接続箱やキュービクル、ケーブルをそのまま使える仕様にして交換費用の低減を図ったのだ。たとえばFIT開始当時に多く使われていた出力500kW、出力電圧210Vの集中型PCSが使用されている太陽光発電所であれば、ファーウェイ製PCS9台と交流集電盤があれば済む。

同社はメンテナンス性にもこだわった。太陽光発電所では定期的に絶縁抵抗を測らなければならないが、一般の分散型PCSでは検査の度にPCSからケーブルを外す必要があり、時間と手間がかかる。そこで同社はPCSに計測用の端子を内蔵してケーブルを外さずに絶縁抵抗を測れるようにした。

このほか、太陽光パネルのPID(電圧誘起劣化)対策、PCSの初期設定を遠隔から行えるなど、様々な特長があるため、リパワリング提案でファーウェイ製PCSを選ぶEPC(設計・調達・建設)企業が増えているのだ。

ファーウェイのリパワリング用PCS。出力62.5kW、出力電圧210Vで集中型PCSから交換しやすい製品である