話題沸騰!

ファーウェイ製低圧PCSの実力

PCS世界大手の中・ファーウェイが今春発売した低圧PCSが人気を博している。発電効率が高く、運営費低減に寄与するという。6月にJET認証を取得しており、日本で普及しそうだ。

低圧太陽光発電所向け製品 SUN2000L–4.125/4.95KTL–JP

ファーウェイ(華為技術)は今年3月、低圧太陽光発電所向けのPCS(パワーコンディショナ)として、単相三線型4.125kW機と4.95kW機を発売した。両製品は最大の変換効率が98.5%と高いうえ、小型機ながら、電圧と電流を自動調整して出力最大化を図るMPPT(最大電力追従機能)を2回路備えている。単相型だから絶縁トランスの設置も不要だ。筐体の保護等級はIP65で、沿岸部であろうが問題なく設置できる。

今年6月、4.125kW機がJET認証を取得した。4.95kW機も同社は現在JET認証申請中である。

注目は、オプションとして同社が用意しているデータロガーだ。これは発電量をストリング単位で記録し、自動で異常の発生を検出するとともに、オーナーやO&M(管理・保守)業者にメールで連絡する機能を備える。オーナーやO&M業者は発電所に行かずに端末から稼働状況の把握が可能だ。アプリとサーバの使用料は10年間無料である。データロガーが1台あれば最大80台のPCSの管理が可能である。価格は「大体PCS1台分程度」(スマートソーラー事業部第二営業部の福岡一礎部長)だという。

現状データロガーの導入に際してオーナーは5〜6万円のルータを別途設置する必要がある。ただ、同社は年末に、高性能ルータを組み込んだ新製品を、従来同様の価格で発売する予定だという。

データロガーはPCSの電圧や電流値を測定して、異常発生時のアラーム情報をオーナーとO&M業者にメールで知らせる機能がある。同社はPCS故障による交換に備え、48時間以内に、現地へ新製品を送り届けるという体制を敷いている。これにより、オーナーは売電損失を抑えられるだろう。あるいは現場に予備機を常備し、異常発生時にはすぐに交換して、新しい製品の到着を待つのもよいかもしれない。

同社の低圧向けPCSは、37.5㎝×37.5㎝×11.7㎝と小さく、保管に際し巨大なスペースを必要としない。重量はわずか10.4㎏しかなく、作業員1人で軽々持ち運べる。PCSの蓋を開けずに汎用工具で結線作業が可能だから、交換の手間もさほどかからない。

福岡部長は、「当社のPCSを採用していただければ、発電所の運営費やO&M費用を劇的に抑えられます」と強調する。

データロガーがあれば、発電所の運営費やO&M費用の低減に寄与する