ZEHに最適!
ファーウェイの住宅用蓄電設備
太陽光+蓄電池で電力代を大幅削減
こうしたZEHやLCCM住宅では、パッシブ設計だけでなく、設備による省エネ化、すなわちアクティブ設計が欠かせない。そのアクティブ設計の必需品こそ、太陽光発電設備であり、蓄電設備なのである。
南野氏は、出力計14.5kWの太陽光パネルを搭載し、出力4.95kWのファーウェイ(華為技術)製ハイブリッドPCS(パワーコンディショナ)2台と接続した。特徴的なのは、2台のPCSのうち、1台を蓄電容量10kWhのファーウェイ製の定置用蓄電池と、もう1台を、V2H設備(車から住宅への電力供給)を通じてEV(電気自動車)と接続した点だろう。
というのも、ZEHの基準では一次エネルギー消費量の対象から家電製品や調理、自動車は外されているが、家庭の二酸化炭素排出量に占めるそれらの割合は決して小さくない。それだけに、「自動車も含めた脱炭素化に貢献したい」(南野氏)との思いから、南野氏は2台のEVをより効率的に使用すべく、V2H設備を設置し、EVの蓄電池も活用する仕組みを講じたのだ。
もっとも、蓄電設備はZEHに必須の設備ではない。だが、脱炭素化や停電対策に加え、電力代の削減に大いに役立つ可能性を秘めているのだ。実際、南野氏の住宅はオール電化住宅であるが、暮らし始めた2023年3月から現在まで、EVを含めた電力消費量の約9割を太陽光発電による自家消費で賄えているという。
たとえば、23年6月の設備の利用状況を見ると、太陽光発電設備の発電量約1550kWhに対し、自家消費量は約450kWhで、購入電力量は約50kWhにとどまっている。
南野氏は、「EVへの充電やエコキュートの沸き上げ時間も日中を中心にするなど、太陽光発電を最大限に活用できるよう工夫しました」としたうえで、「電力代とガソリン代の削減量を合わせて、家計の出費を大きく抑えられています」と話す。