発電所を売りたい方はここに!

トスが始めた適正鑑定

既設の太陽光発電所を売買するセカンダリー市場の拡大を見据え、鹿児島県に本拠を構えるEPC(設計・調達・建設)企業のトス(大楽浩会長)が、太陽光発電所の鑑定を始めた。どのようなサービスなのか。

トスは今年10月、既設の太陽光発電所を鑑定する『太陽光買取鑑定センター』を東京都港区芝に開設した。発電所の資産価値を算出し、売り主との合意が取れると、発電所を買い取る仕組みだ。

鑑定・評価は、サーベランスと一次診断(鑑定)、二次診断(価値算定)の三段階で行われる。サーベランスは鑑定を依頼された発電所がそもそも売買可能な状態にあるかを、書面を含めて見極める初期調査であり、一次診断では、技術・設備・環境などの視点から約200項目を調べ、10段階評価で発電所を評価する。

二次診断では、一次診断で明らかになった補修すべき設備や土木設計上で問題がある場所への対策と、かかる費用を見積り、将来の売電収入を再計算した上で発電所の客観的な資産価値を算出する。

例えば、稼働中案件で基礎地盤の沈下が生じている発電所に対しては補修や恒久対策の方法やそれらにかかる費用、補修期間内に生じる売電収入の損失分まで加味した鑑定を行う。結果的に安定経営が望めない『売買不可』の判定を下す発電所もあるという。

診断にかかる費用は、同社規定の価格体系に基づいているが、最終的に買い取りが成立した場合でも売主からの手数料は取らず、また、鑑定レポートも最短2週間で提出可能という。

同社執行役員の小野賢次氏は、「最近は売却希望者以外にも、金融機関が融資をする際の評価や直接買い取りを行う大手金融関連企業様からの相談も増えています。セカンダリー市場が動き始めたことでこれまでの売買基準とは異なる事業用太陽光発電所の確かな評価方法を市場が求めているからです」と話す。

小野賢次氏