中国チントソーラーが日本に拠点

パネル拡販に本腰

中国の総合電機メーカーで太陽光パネルを製造するチントソーラーが、昨年11月に日本法人を設立し、パネル販売を本格化した。高効率品から両面ガラス型やマイクロインバータ搭載型まで、品揃えは多彩だが、一体どのような企業なのか。母体となるチントグループの生い立ちから見ていく。

(左)工場内の写真、完全オートメーション化を進め、品質管理を徹底している(右)チントソーラー本社、太陽光パネルのブランドは Astronergy

チントグループは1984年、中国浙江省で誕生した。低圧から特高までの電気設備や建築機器、自動車部品などの製造・販売で業績を伸ばし、いまでは売上高8000億円、従業員3万人を超える中国有数の電機メーカーに成長している。

太陽光分野に参入したのは2006年。太陽光パネルメーカーのチントソーラーを設立すると、セルからパネルまで自社製造を開始。現在、工場を中国国内に3ヵ所と、ドイツ、マレーシア、タイにも構え、パネルの年産能力は2.5GWにのぼる。業績は好調で、16年の売上高は1200億円、前年比約60%の大幅増収だった。

このチントソーラーに加え、同グループは、パワーコンディショナや架台、接続箱、集電箱といった周辺機器の製造会社を抱えるほか、太陽光発電所を世界各地で開発、すでに3GWに達している。

こうした事業の多角化が、同グループの健全な財務基盤を生み出し、信用力の向上に繋がっているのだろう。事実、15年に中国政府が発表した中国民間企業ランキングで、チントグループは太陽光関連企業ではトップとなる98位を獲得している。

あるいは、ミュンヘン再保険のパネルメーカー向け再保険への加入も同社の信用力の高さの表れといえよう。チントソーラージャパンの鎌田康史社長は、「ミュンヘン再保険は、財務状況や製造体制、品質管理、将来性など厳しい審査を通過しなければ加入できないのですが、この再保険への加入を10年に初めて認められたのがチントソーラーです」とし、「以降、毎年審査を通過し、更新しています」と状況を語る。

チントソーラージャパンの鎌田康史社長