[特別対談 第1回]
O&Mのあるべき姿
CO2O 酒井正行社長 × ESI 土肥宏吉社長
ヨーロッパ・ソーラー・イノベーションの土肥宏吉社長と業界のキーパーソンによる特別対談。第1回のお相手は、太陽光発電所のデューデリジェンス(評価・診断)を強みにO&M(保守・管理)の実績を伸ばしているCO2Oの酒井正行社長だ。両者が描くO&Mのあるべき姿とは。
いま必要なのはデューデリ
土肥氏●日本のO&Mは、遠隔監視システムと駆けつけサービスというテクニカルな部分に偏っていて、欧州の状況と比べると、まだ発展途上と言わざるを得ません。
酒井氏●太陽光発電所はそれぞれ特性が異なるので、O&Mも発電所ごとに違って然りです。まず発電所の特性をしっかりと把握することから始めなければならないと思うのですが、まだ日本ではデューデリジェンスの技術レベルが低く、遠隔監視や駆けつけといった手段ありきになっています。
土肥氏●「W単価いくら」が先行してO&Mの商談が進んでしまいがちなところも問題です。山奥の1MWと市街地の1MWでは全く違うし、巨大なメガソーラーで人が駐在している場合は、仕事を上手く分担することによってコストを削減できます。概算の見積書をお出しすることは可能ですが、やはり設計図書をよく確認したうえでO&M費は算出されるべきでしょう。
酒井氏●なかには設計図書を持っておられない方もいらっしゃいます。この場合、O&Mの効果が限定的なものになってしまうばかりか、稼働済み発電所を転売するセカンダリーのフェーズに入ると、設計図書やO&Mの記録がない発電所は相対的に価値が下がります。発電所はアセットなので、価値を高めるために運用していくべきではないでしょうか。