[特別対談 第3回]

蓄電池の可能性

エナーシスジャパン 鈴木浩二代表 × ESI 土肥宏吉社長

ヨーロッパ・ソーラー・イノベーションの土肥宏吉社長とキーパーソンの特別対談。お相手は、産業用鉛蓄電池世界最大手、米エナーシスの鈴木浩二日本法人代表だ。将来の普及が期待される蓄電池の可能性について話を聞いた。

土肥氏●最近、太陽光業界では、蓄電池に対する期待が膨らんでいますが、鉛蓄電池とリチウムイオン蓄電池の違いすら、よく理解されていない方々もいらっしゃいます。今日は蓄電池について、色々とお話しいただきたいのですが、まず太陽光発電とどのように接点を持たれたのでしょうか。

 

鈴木氏●我々と太陽光発電との接点は米国のデマンドチャージがきっかけです。これは、電力需要の集中する時間帯に電気料金が上がるという米国の制度ですが、電力需要のピークをカットできれば、社会インフラの自由度が増すので、蓄電池のニーズが高まったのです。日本の太陽光業界で起こっている系統接続問題もデマンドチャージに類した問題ですから、蓄電池の機能が求められているのでしょう。この状況をエナーシスは10年前から想定し、実証実験などを進めてきました。

 

土肥氏●エナーシスさんの実証サイトは、スウェーデンにもありますよね。私は以前、あるパネルメーカーさんにサイトを見学させていただいたところ、偶然エナーシスさんの鉛蓄電池を見かけたことがあります。エナーシスさんは、インターソーラーをはじめ、再生可能エネルギーの展示会にも精力的に出展されていらっしゃるので、早くから再エネ分野に目を向けてこられたのでしょうね。

プロフィール●土肥宏吉(どひ・こうきち) 1973年東京都生まれ。97年一橋大学商学部卒業後、遠心分離機大手の巴工業に入社し海外営業に従事。2011年独ミュンヘンで太陽光関連企業を設立。12年7月に太陽光専門企業ヨーロッパ・ソーラー・イノベーションを立ち上げ、代表取締役に就任。14年4月にはO&M世界大手のグリーンテック社と提携、日本で先進的なO&Mを展開している。