モジュール、PCS、蓄電池、O&M続々

ソリューション営業で差別化を図る

ヨーロッパ・ソーラー・イノベーション 土肥宏吉社長

ソーラーワールド社の単結晶モジュール 『サンモジュール・プラス』。2016年より出力300Wの新モデルを発売する予定だ。

──貴社はモジュールを海外から輸入されています。円安は事業に影響していますか?

独ソーラーワールド社の日本総代理店としてモジュールを輸入販売していますから、当然円安の影響は受けています。しかし、為替変動のリスクは、貿易商社として創業した当初から想定していました。

そもそも、ソーラーワールドのモジュールは、割安感がウリの商品ではありません。他の海外製モジュールと比べると、恐らく価格は最も高いはずです。しかしそれだけの値打ちがあるのです。品質と耐久性が格段に優れ、経年劣化による発電量の低下率が少ないという長期信頼性。この点においては世界最高のモジュールです。その価値をご理解いただき、納得していただける方に販売しています。

もちろん、最初は苦労しました。変換効率や値段といった分かりやすい他社のモジュールに対し、長期信頼性という価値はなかなか伝わらないものです。

幸いベンツやBMWのおかげで、日本ではドイツ製イコール高品質というイメージが定着していましたから、それが助けになった部分はありますが、やはり試行錯誤を繰り返しながら徐々に実績を上げていくことができたと思っています。

 

──コスト要求が強まる太陽光業界で、商社の役割は何だとお考えですか?

先ほどのお話ですが、良い商品でも、その価値があまり知られていないために売れないという場合であっても、お客様に納得いただいてお売りする。それが商社や販売会社の仕事であり、存在価値ではないでしょうか。黙っていても売れる商品であれば、本質的には商社が入る意味はありません。

懇切丁寧に商品の説明をしたり、信頼できる協力会社との関係を深めたりして、はじめて売れる製品でなければ、私は〝売り甲斐〟がないと思ってしまいます。

太陽光関連製品に共通していえるのは、自然に売れる商品ではないということです。確かに、大型案件であれば、初期投資を抑えたいという投資家さんの意向が強いので、価格が安いものが売れるという状況もありますが、ミドルソーラーや小規模産業用、とくに住宅用では、販売会社さんの力が必要だと思います。