Looopが目指す品質管理

自社発電所で財務健全化

モジュール製造は独自基準

ループはまずモジュールの品質を目利きできる力を養った。コスト競争力を維持するためには、中国から部材を調達しなければならない。しかし中国には粗悪な製品も多い。調達先のメーカーが品質のよいモジュールを製造しているかどうかを見極める能力が問われる。

中村社長を中心に中国ビジネスに精通した人材でチームを構成し、多くの中国メーカーを訪問、製造現場を視察して回った。やがて同社は、モジュールの製造技術から品質管理まで、独自に基準を設けられる水準まで知見を深める。

そして12年にはモジュールの自社ブランド化に踏み込んだ。メーカーポジションという立ち位置で、委託製造先に対して、モジュールの設計から具体的な品質管理の方法まで指導し、厳格な検査体制を敷いた。

モジュールの設計は、発電性能だけでなく、耐久性や強度にも目を向けた。同社のモジュールは、耐風圧性が風速70mに耐える2400Pa(パスカル)、耐積雪性は1.5mの積雪に耐える5400Paと堅牢なつくりである。

品質管理では、委託製造先に対し、検査機器を指定し、湿度・温度・負荷といった検査条件まで細かく規定した。セルの欠陥や断線などの不良を検出するEL検査は、初期・中期・出荷前の3回を必須とし、出荷後も国内の第3者検査機関で再チェックする。さらにPID(電圧誘起出力低下現象)対策も独立した検査体制を設けるという徹底ぶりだ。

モジュールを支える架台の耐久性にも気を配った。同社はコスト競争力を高める目的で主に単管地中埋設式のオリジナル架台を提供しているため、支柱の鋼管は強度の高いものを採用している。鋼管は直径60㎜、肉厚3.5㎜で引っ張り強度243kN(キロニュートン)と、一般の鋼管よりも2倍の強度を持つ。

架台の構造計算は、順風、逆風、積雪荷重、地震荷重などの事象ごとに、曲げ、切断、沈み込み、引き抜きといった応力を測定、安全性は確認済みだ(表参照)。