Looopが目指す品質管理
自社発電所で財務健全化
売電収入で財務強化
一方の財務基盤の強化。これは非常に難しい課題だ。民間企業であれば、たとえ創業50年以上の上場会社であっても、この先20年間存在し続けるという確証はどこにもない。ましてベンチャー企業であればなおさらである。
しかし同社は、発電事業を推進していくことで課題解決の糸口を掴んだ。むろん発電所の開発には初期投資が必要だが、いま国内のマーケットは拡大しており事業収益が見込める。それらの利益を発電所の投資に回し、長期的に安定した売電収入を得るというわけだ。
「自社で保有する太陽光発電所をより多く建設していけば、それだけ年間の売電収入が増えます。当社は現在2MW以上の発電所を運営しており、年間の売電収入は5000万円以上。自社の発電所は今年度内に10MW(土地調達済み)、数年以内に30MW(土地調達済み)まで増やします。そうすれば、得られる売電収入で固定費を賄っていくことができ、財務基盤の強化に繋がる。お客様へのサービスを継続できるのです」。
さらに同社は、仕入れ量が増えることによる資金ショートのリスクを想定して、前金制の取引を行なっている。中小規模の案件であれば、契約時に総工費の7割の前払いを原則とし、その資金で部材を仕入れているという。
創業時から管理体制の強化に努めてきたことが、後の成長に繋がったのかもしれない。同社の売上高は、第1期が3400万円、第2期が16億5900万円で、3期目の今期(13年4月〜14年3月)は、対前期2.5倍増の50億円を見込んでいる。