Looop、新商品続々投入

低圧からメガまで全方位へ展開

太陽光発電のEPC(設計・調達・建設)事業で躍進するループ(東京都文京区、中村創一郎社長)が新商品を続々発表した。今年5月にはメガソーラー用の発電設備、『みんなで作ろう!メガソーラーキット』を発売。10月にはモジュール出力を72kWまで高めた低圧用の太陽光発電システム、『MY発電所キット72』を売り出す。品揃えを拡充して提案力を高め、新しい顧客層を取り込む狙いだ。

「『メガソーラーキット』の販売を開始してから4ヵ月経過しましたが、想像以上の売れ行きです」。

中村社長は安堵の表情を浮かべながら近況を語った。同社は、簡易に設置できる出力50kW未満の太陽光発電システム、『MY発電所キット』でヒットを飛ばし、発電所のキット化というスキームをメガソーラー建設に持ち込んだが、一抹の不安もないわけではなかった。メガソーラーは低圧線接続の出力50kW未満とは異なり、系統連系やファイナンス組成なども容易にはいかない。

だが、すでに5件完工し、建設中のものが6件。受注は20件を優に超えている。なぜ売れているのか。

ひとつはループのEPCサービスにあるようだ。「みんなで作ろう!」とは、容易に建設できるという比喩であり、実際はループがEPCサービスを含めて発電事業者に細やかなサポートを行なっている。中村社長は内実をこう述べた。

「メガソーラーをご自身で作られる方もおられますが、実際はファイナンスなどに悩まれている方が多い。そのような方にはしっかりとサポートさせていただいておりますので、他のEPCさんで実現できなかった案件が持ち込まれる場合が多いのです」。

ではなぜループは実現性の薄いプロジェクトを案件化できるのか。最大の理由はコスト競争力にある。

必要部材一式を取り揃えた『メガソーラーキット』の価格は1億9800万円(税別)。工事費と配送費はこれに含まれないが、メガソーラーの建設費は1MWあたり2.5億〜3億円が相場であるから格段に安い。ループに依頼すれば工事費込みで初期投資を20〜30%抑えられる。発電事業者にとって資金調達が有利に運ぶのはいうまでもない。

「この商品は、部材費が安いことに加え、施工性に優れ、納期を大幅に短縮できる。ご要望に応じて、当社は設計から系統連系や施工、O&Mまでトータルサポートいたしますが、これらのサービスも低価格でご提供しています」(中村社長)。